夜のピクニックではなく普通のピクニック

今日*1は僕の教え子である佐紀ちゃんの高校合格の御礼ということで僕ら兄妹はピクニックに招待されました。空は用意してくれたと言わんばかりの晴天。

佐紀ちゃんの兄上は妹から聞かされていた通り、小池徹平君張りのイケメン君、反町隆史似の僕に退けを取っていませんでした。僕も兄上も気さくで爽やかなので会話も弾みました。お父上はやはりお父上オーラを出しておられ、超緊張しましたす。あのう、大丈夫ですから、大丈夫ですから・・・。

目的地のコースまでは電車で移動。御礼にならないからと、電車代はすべて向こう持ち。あとお弁当から飲み物からレジャーシートからすべて向こうが用意してくれたので、事実上僕と千奈美は手ぶらです。だから昨日準備をしたと言っても着替えくらいです。最寄駅に到着しました。僕はせめてと、佐紀ちゃんのリュックを持つことにしました。

歩いている途中、少し前を歩こうと僕は佐紀ちゃんに耳打ちされ、軽く返事をするとその後佐紀ちゃんは他のみんなに「ついて来ないでね」と言い残しました。少し嫌な予感がしました。

その他一行と20メートルくらい開いたでしょうか。その時、佐紀ちゃんが・・・

 
 
 
 
 

んぬ、んぬ、ぬと、ぬと、ぬて、ぬて、て、ててて、手を繋いできたんです(いT∇T)


もう、恐くて後ろを振り向けません(泣。佐紀ちゃんは構わず僕に話し掛けてくるんだけど僕は会話に集中できません。


後ろから誰かが走ってくる音が・・・千奈美でした。僕と佐紀ちゃんの繋がってる手をヤキモチチョップで切り離しました。プチぷんぷんの千奈美に対してなだめるようなそぶりの佐紀ちゃん。おそらく今が僕の人生最大のモテ期です。でも安堵したのも束の間、

 
 
 
 
 

差を詰めた佐紀ちゃんのお父上がドラゴンクエストの「てんのもんばん」のようなオーラを出して僕を見てます(いTДT)

「私の娘は嫁入り前です、近所でおかしな噂が立ちます」と言われました(号泣)。「どうして悪いのだ 愛している事が いつでもそばに居て 愛している事が」と言い返したかったのですが決してそんな空気ではありませんでした。「誰も見てへんやん!」と僕の右手が勝手にツッコミを入れそうになるのを僕は懸命に制御しました。僕はあのオムライスに鍛えられていたことに気付きましたました。僕はあの時のオムライスに感謝しました。その後母上様が上手く取り繕ってくれて事無きを得ました。


昼食。みんなでお弁当を囲んで団欒。佐紀ちゃんが僕のために作ったんだと小さなタッパーを僕に差し出しました。蓋を開けてみると、そこには無理矢理八本足にしたようなタコさんウインナーと、断面を見るに最後の一巻きでどうにか体裁を繕えたようなだし巻きが入ってました。そのひとつひとつに、佐紀ちゃんの朝早くからの頑張りが覗えました。なんか、それが凄く嬉しくて、もう、マジでヤバイ、僕の中の全米が泣きました。そのひとつを口にいれた僕を佐紀ちゃんは心配そうに見ています。本当に普通に美味しかったです。もちろん不味いわけなんてない。佐紀ちゃんの無言の質問に、僕は「おいしいよ、ありがとう」って満面の笑みで答えました。佐紀ちゃんも笑顔になりました。


何故だかわからないけどその後僕とお父上が意気投合。僕はとても気に入られてしまい、挙句にはお父上が僕に佐紀を宜しくとまで言われる始末。まあ嬉しい誤算です。実はその時僕もお父上も少し酔っていて僕もやや無礼講気味で話を上手く繋いで行きました。結局なんだかんだで万事無事ピクニックは終了。


千奈美も少しヤキモチやいてたけど終始笑顔で楽しく過ごせました。帰ってからは若い4人だけでファミレスでプチ打ち上げをして(一応僕が保護者、佐紀ちゃんの両親には水入らずを提供したつもり)楽しい一日は終わりました。

*1:五月頃のお話です