オムライス(中編)

できる限りその日のことを思い出して再現したいと思います。


今日は妹と佐紀ちゃん(くどいけど仮名です)が僕に勉強を教わっているからその御礼にと料理を作ってくれる日です。4時ごろ、妹たちが買い物袋を手に持って帰ってきました。学校帰りに落ち合ったらしく、二人とも制服でした。ちなみに妹の中学は紺のブレザー、佐紀ちゃんの中学は青いネクタイのセーラー服です。

二人は着替えに行きました。佐紀ちゃんは時々家に泊まりに来るので妹の部屋に着替えを置いていたようです。二人が買い物袋から材料を取りだしはじめました。ピーナッツバターが見えました。
「何作ってくれるの?」
「オムライス」
僕は少し心配になりました。
「作ったことあるのか?」
「ないよ」
「ちゃんと作れるのかよ」
「オムライスぐらい誰にでも作れるじゃん」
「ねー」


僕はかなり心配になりました。


僕はそれ以上何も言わず、二人がオムライス作っている後姿をテーブルの方で横目に見ていました。


お好み焼きソースらしきものを入れようとする佐紀ちゃんを懸命に阻止しようとする妹。佐紀ちゃんが天然さんであることを僕はここではじめて知りました。


妹の努力も空しく、お好み焼きソースらしきものは入ってしまいました。僕は頭の中でそばめしを思い出していました。うん、まだ大丈夫。









妹の発案でピーナッツバター入りました。妹が天然であることを僕はここではじめて知りました(泣。









いつも勉強を教えている代わりに、僕は妹たちに人生の厳しさを教わることになりそうです。




そのほか、色んな隠し味がオムライスに入っていくのを僕は目の当たりにしていました。




とうとう、その時間はやって来ました。









僕の前にはオムライスがあります。二人が目を輝かせて僕の方を見ています。全部今まで口にしたもので作られているんだ。きっと大丈夫。意を決して僕はスプーンに取り、口元に運びました・・・まずはその香りを。




・・・









オムライスの匂いではありませんでした(泣。






さて、僕の運命はどうなるのか
<つづく>